失敗しない弁護士の選び方
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相続に強い弁護士は実は少ない?弁護士によって結果・満足度が変わる?
このホームページをご覧いただいているということは、相続問題のお悩みを解決できる弁護士をお探しなのかと思います。しかし最近では弁護士が運営しているホームページは非常に多く、どの事務所に相談すればいいか迷ったというお声も聞かれるようになりました。弁護士を14年以上経験してきた私から弁護士の選び方のポイントをお伝えしたいと思います。
- 相続問題の解決実績を多数持つ弁護士に依頼しましょう
- 弁護士にかかる費用の理由や内訳を丁寧に説明する弁護士に依頼しましょう
- 話を最後まで聞き、メリット・デメリットの両方を説明する弁護士に依頼しましょう
相続問題を依頼するなら解決実績を多く持つ弁護士に
相続問題を依頼するにあたってどの事務所に相談しようか迷ったときは、相談する弁護士の相続問題の解決件数や相談件数を一つの指針にすると良いでしょう。なぜなら1年間に発生している相続トラブルの数は全弁護士数に比べるとそれほど多いとは思われず、相続事件を解決した経験が非常に少ない、もしくは扱っていない弁護士も数多くいるからです。
※令和2年度司法統計の遺産分割調停の1年あたりの終結件数は11,000件程度で弁護士数は40,000人以上となっています。
相続は分け方や遺産額の評価といった解決手法など、問題解決の実績数・質によって解決結果に大きな影響を及ぼすことが多くあります。依頼する弁護士の交渉一つで大きく金額が変わることもありますので、慎重に選ばれることをおすすめします。
ちなみに、実績の有無は必ずしも年齢や弁護士歴に比例するわけではありません。若くとも相続問題を多く扱う事務所に在籍している弁護士であれば、実績数も多く安心して依頼していいかと思いますが、逆に年齢を重ねた弁護士でも相続の経験数が非常に少ないということもありますので、弁護士歴よりも解決件数に注目すべきかと思います。
また、解決実績そのものではありませんが、家庭裁判所の家事調停委員などを経験した弁護士であれば、裁判所側で数多くの相続事件に携わった経験があるため、調停や審判といった裁判所での手続きになったときの裁判所側の視点も交えて道筋を立ててもらうことができるでしょう。
かかる費用の理由や内訳を丁寧に説明する弁護士に依頼を
弁護士にご相談いただく際に一番ご不安に思われているのは「弁護士費用=料金」のことではないでしょうか。みなさんにとって慣れない言葉が多く使われるため、私もできるだけ丁寧にご説明しようと努めておりますが、それでもご質問をいただくことが数多くあります。
ご不安な点かと思いますので、弁護士費用についても、内訳や理由など丁寧に説明をしてくれる弁護士を選ぶのが良いと思います。
しかし、そもそも費用に関する委任契約書や内訳の用語がよくわからないという方もいらっしゃると思いますので、ここで簡単に解説させていただきます。
・全部事項証明書取得費用
・戸籍取得費用
・手紙の受発送の費用
話を最後まで聞いてくれて、メリット・デメリットの両方を説明する弁護士に依頼をしましょう。
最後にお伝えしたいのは、あなたの話をしっかり聞き、メリットもデメリットも伝える弁護士に依頼すべきということです。
ご相談時の状況や事実関係、心情、希望などをしっかりお聞きしなければ適切なアドバイスをすることは難しいですし、希望を実現するための方法や実現できるかどうかを忖度なしに伝えるということも大事だと考えています。
相続に関する法律上の決まりには、感情的には納得しにくいこともあるのが現実です。
例えば、相続人が2名で、介護を一生懸命していた相続人と、全くしていなかった相続人だった場合、それ以外の条件が同じならば、寄与分という特別の貢献が認められなければ遺産は半分ずつ分けることが決まりなのが法律の世界です。
そのため、私たち弁護士はあなたの希望通りにいかないこともお伝えすることがあります。
納得しにくいこともあるかもしれませんが、できないことをできると言うのは適切とはいえません。
あなたにとって本当に適した提案をしてくれる弁護士かどうかを見極めることが重要です。
最後になりますが…
弁護士に依頼する目的は、相続する遺産を増やしたいということが多いかと思いますが、
相続トラブルが発生しているときには、相手方とのやり取りや裁判所へ提出する文章の作成などを弁護士に任せることで、精神的なご負担を大きく減らすことができるため、相手方とのやり取りのクッションとして弁護士を活用していただくのも効果的だと考えています。
ご家族が亡くなり、非常に悲しい思いをされているときに、故人を偲ぶ時間を十分にとるためにも、弁護士へのご依頼を検討していただいてもよいかと思います。